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よく発芽させるための裏技です。ちなみに、麦踏は別の理由です。 この話をすると、せっかく、ふんわりと耕した畑を土足で踏みしめるなってケシカラン!という顔をされることが多いです。 しかし、「耕運機で踏みしめた足跡から草が生えてくる!」という先人の智恵だというと納得していただけるのでは? あまりふんわりしていると、地表から水分が蒸発し、地表のすぐ下にある種子はすぐ乾いてしまいます。数日で発芽する 大根などのアブラナ科や胡瓜やカボチャなどのウリ科などは、ほとんど問題となることはありませんが、人参やごぼうなど、 発芽までに一週間以上要する野菜たちでは種まきの最重要ポイントなんです。 人参の項で詳しく述べていますのでぜひ読んでください。毛管現象により地表より深いところにある水分を途切れることなく 種にポンプアップしてくれるので、種子が細胞分裂を持続できるという原理で発芽が良くなるからです。 好光性とか種子が小さい理由で、土かぶせができない「しそ」、「しんぎく」。コスモスや菜種や牧草など広範囲に種まき しなければならない場合も、踏んづけたり、ローラーをかけよく鎮圧しておくことはよく芽を出すためには欠かせません。 お客様Mさんによると、人参を蒔くときは古タイヤを転がしておくと良いそうです。これも同じ理由の裏技ですね。 また、足では踏みませんが、箱まきやトレー播きで苗を作る場合も、よく押さえることは大切なポイントです。(次項参照)

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人参、パセリ、セロリなどのセリ科。シュンギクやレタスなどのキク科。金魚草、つりがね草、トルコ桔梗などの微細な花種子。 一般的には、これらは土かぶせをしない方がよく芽が出ます。明るいと発芽しやすいとか、暗いと発芽しにくいとか、 小さすぎて薄く土をかぶせることが物理的に困難なことが理由です。しかし、「水分の確保」という発芽の三要素理論に明らかに矛盾しますよね?だから、土をかぶせないで蒔くためには必ず併用しなければならない別の裏技が必要です。 その裏技の第一は前項で述べた同じ理由でよく押さえつけるということです。第二は(従来ですと籾殻など)光が透けて 通るような通気性のある被覆をすることです。不織布や粗いムシロなどが除去も楽ですしおススメです。 同時に併用したほうが効果的なので、「土をかぶせずに、押さえつけて、被せ物をする」とワンセットでご記憶ください!

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種子には硬実といって、種皮が硬く変質した種類があります。苦瓜(ゴーヤ)、オクラ、朝顔、夕顔、ナタ豆などが 家庭菜園で問題となる具体例です。もともとは環境の変化に耐え抜いて生き残るために進化した結果なのです。しかし、 種皮を割って外へ出ようとする野菜の幼芽にとっては厳しいハードルとなるので、人間にとっては大変迷惑な話なのです。 ゴーヤなどは鳥に食べられて胃液の侵食に耐えながら糞の中に生き残り、種を拡散させようとする DNAの指令があるため、水を含むとまるで靴底のゴム皮のような硬い種皮で保護されています。 水に漬けたぐらいでは ビクともしないほど強力です。でも、どんな風船でも膨らますのには相当な肺活量が必要ですが、針でポンと刺すだけで 簡単にはじけますよね。硬実にとっては傷を付けるという対処法が一番有効なんです。 種の数が少ない場合は、カッターや小刀でも良いですが、爪切りが安全で便利です。 多い場合は粗い砂でゴシゴシやると意外に簡単です。オクラの場合など大変効率よくできます。 カボチャ、カンピョウ、ヘチマ、スイカなども(乾燥させすぎたりして)硬くなった種も傷をつけると芽がでやすくなります。

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発芽の三要素は水・温度・空気でそのトップに水が来ます。今まで仮死状態の種子が目覚めて細胞分裂を始めるためには 水が絶対的に必要です。別の言い方をすれば、水分=湿度の変化で覚醒のスイッチがはいるので、湿度の変化が大きいと 種子は芽を出してよいかダメなのか迷ってしまうのです。やがて力尽きて芽を出す力を失ってしまいます。 したがって、発芽のためには、一気にそして平均に、途絶えることなく水分のある方が良く、逆に、芽を出させないで 生命力を保ったままで長期間保存するためには、低い湿度を一定に保つことが最重要なのです。 水につけると良く芽が出るとの理由から、必ず水につけてから種まきする方がいらっしゃいますが、失敗談も多いです。 それは、「空気」も大切な三要素のひとつだからです。長時間の浸漬処理で酸素が遮断されると、最短二日くらいで発芽する 種子にとっては大きなストレスになります。水につける浸漬処理は必ず、酸素を多く含んだ流水で行ったり、長くても 半日程度の短時間に抑えることが理想です。 夏場の高温乾燥期、ほうれん草を蒔いたりする場合は、 水につけないで蒔いたほうが上手くいく事例が多いようです(ほうれん草のところを参照してください)。 一旦発芽がはじまると後戻りはできないので、水につけて蒔いた場合は播種後の潅水が必ず必要です。 逆に、スプリンクラーを回したり簡単に潅水できない畑では、水に漬けて蒔くよりそのまま蒔いて雨を待ったほうが 種子が死んでしまうリスクを防げます。

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よく発芽させるための裏技です。レタス、セロリ、しそ科のハーブ類、金魚草などの多くの草花に使えます。 好光性種子の苗つくりでは、土をかぶせないほうが良いと述べました。また保水のために良く抑えることも裏技に書きました。 その上で、さらに発芽率を良くする方法が薄布をかぶせる裏技です。薄布はかつては籾殻や新聞紙がその役割をはたして いたわけですが、家庭にどこでもある日本手ぬぐい、ガーゼ、薄い木綿布が良いと思います。最近多く市販されている 極薄の不織布などがあれば最も適しています。①光を通しますし、②防湿効果もあります。③ジョロで潅水するときも直接種子や 土の表面をたたきません。④土がカチカチになるのも防げます。一挙四得位の効果があります。 好光性種子以外でも②~④は有用なので、育苗するときはいつでもこの裏技使えます!

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裏技といえるかどうか迷ったのですが、店頭にいるとよく質問を受けるのであえて書きました。 ①ソラマメはへそ(オハグロとも言います)をやや斜め下蒔きます。下弦の月のようにと言ったら拍手喝采が起こりそうです! これはへそから芽と根が同時に上下に伸びようとするからです。 ②赤サトイモはやや斜め下を向けて植えると子芋がたくさんつくそうです。(当地のおばあちゃんから聞いた話しです) ③アネモネは尖ったほうを下にして植える。普通の球根は尖ったほうに芽を出し、平べったいほうに根が生えます。 アネモネはこの常識を覆すような一見変な形をしています。反対にすると腐って芽が出ません! ④ラナンキュラスは尖ったほうを下にして植える。アネモネと同じ理由です。たこの足を突っ張った形をしています。 扇の要分から芽が出ます。この部分が見えるか見えない程度に浅く土かぶせをします。

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玉葱の中~晩生系品種をトウ立ちさせないための裏技です。(玉葱の項を参照) 苗を大きくしないように 無理な早蒔きをしないことが最低限必要ですが、暖冬など、条件が良すぎて生育が進みすぎた場合などに有用です。 種明かしをすればグリンプラントバーナリ(花が咲く咲かないを参照)の原理を逆手に取った方法なのです! ある一定の大きさにならない限り低温の影響を受けず、花芽をつけないのだから、ある一定の大きさ以下に強制的に 制限すればよいことになるからです。 ①植えつける苗が大きすぎる場合は、葉先を包丁で切り落とします。 ②根が長い、丈夫な苗は、根も半分くらいの長さに包丁で切り落とします。 ③苗床から掘り出した苗をすぐ植えるのはなく、日陰でやや放置した後に植える。 ④植え付け後ぐんぐん太りすぎる場合、フォークなどで畝を持ち上げ根を切る。 他にも良いアイディアがあるかもしれません。ただし、早生系にこの方法を用いるとトウ立ちは抑制できても 分球が多くなりますのでできるだけ避けてください。

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①サニーレタスは寒くならないと葉が赤くなりません。 温度が高く肥料が効いて水分が多いときはグリンリーフレタスと区別がつきません。 ②人参は生育後半にやや乾燥状態が続かないと赤くなりません。特に芯が黄色くなります。 アントシアン、リコピン、カロチンなど発色の原因となる物質は、ストレスを受けることで生成のスイッチがオンになる ことが原因です。家庭菜園では、水のやりすぎ、肥料のやりすぎ、といった愛情のかけすぎ=過保護が原因で失敗する 事例が多いので、ストレスも場合によっては大切な役目があるのだと覚えておきましょう。 ③トマト、スイカ、メロン、など甘くなることが求められる場合。 ④唐辛子など、辛味が求められる場合。 ⑤葱やハーブなど香りが求められる場合。 ③~⑤など、甘さ、辛さ、香りなどの特性は乾燥とか肥料切れとかいうストレス要因が必要不可欠なので、 やはり、過保護には十分注意しなければならないのです。 ⑥麦踏み:踏みつけることで逆に生き残ろうという生存本能が働くので、茎が丈夫に根が深くはるようになるからです。 ⑦大根:生育初期にやや乾燥のストレスを受けないと、根が長く伸びません。 ⑧アカ苗:少し肥料が切れかかった苗のほうが効きすぎた苗より、活着がよいと言われています。

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①秋茄子嫁に食わせるな!佐世保では八月上旬に強い剪定が必要です。真夏に葉の表面積を減らせば かなり水分の蒸散を抑えられるので体力の消耗を減らし、余力を秋に残すことが可能となるからです。
②バラは花が終わったらかなり強い剪定が必要です。ナス、有名なサフィニア、梅なども同様で、枝を切り戻すことで たくさんの花がつくようになります。
③エンドウ類は冬越しのときあまり伸びすぎていると寒さで消えてしまいます。適期を守っても生育が進みすぎて 越冬時の表面積が増えすぎた場合よく起こります。海岸周辺や無霜地帯やハウスを除き、冬越し5寸と教えられました。 越冬時の苗の大きさは15cm位が適当という教えです。もし、大きくなりすぎていたら、思い切ってザックリ切り戻しましょう。 春、気温が上昇するにつれて見る見る大きくなり、切り戻さなかった場合よりはるかに元気になります。

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①唐辛子はナスの隣に植えて、肥料や水などやらずに「打ち捨てておけ!」と教えられました。 地元の方言で唐辛子の「うすて作り」といいます。一見乱暴ですが、鷹の爪などで柚子胡椒を作るときなど、青いうちから ゲキカラの唐辛子を作るときは絶対に知っておかなければならない秘策なのです。 良いストレスのところで述べたように、色や香りや味はストレスを受けないと濃厚にならないのがその理由です。
②シシトウやサフィニアなどのペチュニア類など、ナス科のある品種は切り戻して、暖かい縁側や軒下に放置しても 冬を越し、翌年も変わらないように実を付け、花を咲かせます。(実験済みです。機会をみて写真をアップします) ウリ科など絶対に無理ですが、ナス科は南米の高冷地で進化したためかなり低温には耐えるみたいです。

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【コンパニオンプランツ】

キャベツとレタスをまぜこぜに植えておくとアオムシやコナガなどアブラナ科に特有の害虫の飛来を抑制し、減農薬で 栽培することができます。違う野菜を組み合わせて栽培することで相乗効果を期待するやり方で、無農薬栽培で 広く用いられております。他にも組み合わせが多数ありますので、こちらをご覧ください。 ところで、キャベツとレタスの場合はキャベツにつくアオムシとコナガだけが抑制されます。他の病害虫には効果がありません。 従って、農薬に取って代われるわけではないので過度の期待は禁物です。 有機無農薬栽培は漢方のような農法です。逆に農薬や化学肥料の使用を許容する農法は、化学薬品や抗生物質を 積極的に使い、精密医療機器を使った外科的な治療も厭わないまるで近代西欧医学のような農法です。 ここまで言えば、どちらも同じように有用な方法であるという結論に達するのが自然ではないでしょうか。

【二十日大根】

普通の大根2粒と二十日大根2-3粒をまぜて同時に一穴に蒔いていきます。 合計の種子量は4~5粒で通常の大根の種まきと変わりません。みんなの力でよっこらしょと土を持ち上げるので 発芽力も変わりません。二十日大根は小さいときから軸に色が着いているので間引きする時も間違えなくてすみます。 播種後2~3週間でまず二十日大根を収穫し、その後大根を収穫すると同じ面積の畑で二倍楽しめます! タキイの研究農場で発芽力の弱い原種の種とり栽培で実際に行われていた方法で、実際に経験しております。

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【コンパニオンプランツ】

まず皆さんからの質問です
A)コマツナは作ったことあるけど、水菜は簡単ですか?ハクサイは難しいよね? キャベツは虫からやられて大変だけど、ブロッコリーは易しいよね?
B)去年ジャガイモで今年トマト作りたいけど違う野菜だから平気だよね?
C)スナックエンドウがうどんこ病にかかっている。キュウリを近くに作っているけど病気が移るので早く薬を散布しないといけないよね?

私の回答です
A]同じグループの野菜ならだいたい似たような性質を持ち、同じ虫がつき、同じ病気にかかります。コマツナも水菜も、ハクサイもキャベツも、 ブロッコリーも全部アブラナ科の野菜です。コマツナと水菜は非結球アブラナ科といってほぼ同じ仲間です。近い仲間同士なら全く同じように 栽培できます。ハクサイは結球する点が違うのですが、結球させるために葉の数と株間さえ十分であればよいという知識があれば、これも類推で うまく栽培できます。キャベツもブロッコリーも全く同じように虫がつきます。ただ、茎や花に虫がつかないのでブロッコリーが簡単に思えるだけです。 つまりアブラナ科というキーワードを知っていれば一つのノウハウがいろいろな野菜作りに応用できるのです。
B]名前が違っても同じグループに属する野菜は、虫や病原体から見ると同じもの。連作障害は微生物が原因なので、同じグループ内の違う野菜 を作っても連作になります。ジャガイモの後にトマトを作ると青枯れ病など、急に体全体が枯れ込む恐ろしい病気にかかりやすくなります。 逆にトマトの後にジャガイモを作ると、ソウカ病など、とても食べる気がしなくなるようなカサブタが芋の表面にできやすくなるのです。 このケースも、どちらもナス科に属しているのだという知識がキーワードになります。
C]別のグループに属する野菜は虫や病気にとっては全く別の餌や対象物なのです。突然変異で超強力なウイルスが生まれれば可能性は ないとはいえませんが、狂牛病は人間には移りにくいし、、豚や鳥のインフルエンザは人間には本来感染しにくいのです。同様に、エンドウが 真っ白く、うどんこ病に冒されているとしてもキュウリには移りにくいです。(ただし、カボチャのうどん粉はスイカやキュウリに移りやすいのです。) エンドウからキュウリにうどんこ病が移ったように発生するならば、それは栽培環境がうどんこ病を発生させ易くなっているだけだと思います。

●アブラナ科の花は全く同じような四枚のバラバラになる花弁からできています。その形から十字花科と呼ばれることもあります。 色は黄色、白、紫などがありますが、花の形は全く同じなのには驚きます。アブラナ科はハクサイグループとキャベツグループに分けられます。 花は似ているのですが葉が違います。前者は葉に毛があります。後者はツルツルです!(これ私の発見!!次項で詳しく触れます)
●ナス、トマト、ピーマン、とうがらし、ししとう、ジャガイモ:花の色は黄色、白、紫ですが花の形はよく似てて、花びらはくっついています。
●キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ニガウリ:色はどれも黄色、大きさは違いますが花の形はよく似てて、♂♀の違いがあり花弁はくっついてます。
※くっついているいる意味でナス科とウリ科は共通の祖先を持つようです。
●レタス、シュンギク、ゴボウ:色は黄色、黄色+白、赤ですが、形は全く同じ菊の花!です。光とか高温とか他の野菜とかなり違う特性を持っています。
●タマネギ、ネギ、にんにく、らっきょう、ニラ、(アスパラ):葱坊主の一つ一つの花は全く同じです。色は白と紫。
●インゲン、大豆、エダマメ、小豆、エンドウ、ソラマメ、レンゲソウ:色は白、紫、黄色です。形は蝶のような形をしています。
※開花すると自動的に受粉するような構造になっているそうです。従って自家受精が主なのでF1が作れません!

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野菜の場合、花の形で植物学上の分類が決まるというのは例外のない法則です。分類が決まれば似ているDNAに支配されますから、開花、結実、死期 といった生物としての節目の特徴は同じグループ間では非常に似たものになります。一方、地球全土に拡散し、世界各地でその地域の天候や環境に 合うように進化してきたわけですから、同じグループでも、違った環境が好きになるのは当然の結果です。 従って、分類学上のグループではなく、原産地によりその栽培方法は全く違ったものになるはずです。 植物の栽培適温は15度~30度位で原産地によりそれほど違わないはずです。一方、湿度や水分は。大陸内部と海岸周辺では天と地ほどの 開きがあります。つまり栽培方法のばらつきは原産地の主に湿度や水分に支配され進化したものと思われます。(私見です) 乾燥すると水をできるだけ大切にし、葉っぱから蒸発しないようにするでしょう。当然、葉っぱは小さくなったり切れ込んだりします。また、表面積を 小さくするように、あるいは、突起が少なくなるようにツルツルになるはずです。 逆に、雨が多いようであればどんどん蒸発させても平気だから広く大きく、そして、表面積はできるだけ大きくしたいのだから毛も生えてきます!

原産地の環境に合うように進化するという法則を知っていれば、
A)小さく、ツルツルで、切れ込んだ葉っぱは乾燥が好き
B)広く、大きく、毛がある葉っぱは水が好き
・・・という法則も理解できるでしょう!

乾燥が好きが好きな、小さく、ツルツルで、切れ込んだ葉っぱ

人参キャベツスイカトマトネギ
小 切込ツルツル切込切込ツルツル 細

水が好きな、広く、大きく、毛がある葉っぱ

ダイコンハクサイキュウリナスユリ
大 毛大 毛長  太
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葉の形が、栽培方法の中で水分や湿度に関わる事がらを暗示しているのだという法則を前項で述べましたが、根の形はどうでしょうか? 根が入る土の深さは、土壌微生物の生存範囲とほぼ同じでしょうし、地表から離れると酸素が来なくなりますので極端な違いはないはずです。 また、横の広がりは他人のテリトリーを犯すことはできないでしょうから、背丈や株の大きさに応じた養分や水分を吸収なければならないはずです。 したがって、同じ地上部の大きさの野菜であれば根系の大きさや広がりはそれほど極端には違いはなく、むしろ、形に違いが表れます。(私見)
●直根が発達しているものは、地表が乾燥しても地下の水分をたくさん吸い上げられる。また、直根は一本だけで、直根を親としてひげ根が二次的に ついている構造をしているので、直根へのダメージは生存を大きく左右されます。したがって、このタイプは移植を非常に嫌うのです ダイコンやニンジン、カブ、ゴボウなどの根菜類は全て当てはまり、移植できないので畑に直に種まきするしか方法がないのです! ハクサイもこのグループに属します。ハクサイは直根が切れてもひげ根で補えますので、移植すること自体は可能です。しかし、地下深く降りるべき 直根が切れるので、直播きと移植栽培を比較すると明らかに後者が乾燥に弱くなり、芯腐れなどの生理障害が発生しやすくなります。
●ハクサイの場合は、キャベツと比べると大量の水分を必要としますので(前表参照)、直根をいかに深く下ろすか、もしくは直根をカバーできるだけの ひげ根をいかに張らせることができるかが栽培上の大きなポイントといえます(私見)。一般に春の晩抽系や秋の早生系の早どり用の品種は、 移植に耐える旺盛なひげ根を再生することができるようです。逆に晩生系の冬どり種は冬場が意外に乾燥し、栽培期間が長いので直根頼りの品種が多く、 移植はしない方が賢明でしょう。(私見)
●ひげ根が旺盛に発達しているレタス、シュンギク、しそ、ブロッコリー、セロリ、などは手で引っこ抜いて苗をずらしても死なないくらい移植に強いです。
※ブロッコリーとちがい、カリフラワーは分類学上近いにもかかわらず、根が弱く生育も遅いので移植には注意が必要です。
※パセリはセロリと同じセリ科なのに直根が発達しているので大きくなってからの移植を大変嫌います。
●オクラは根がもろく少ないので、また、豆類は根の再生が弱いので、ともに移植が大嫌いです。花のポピーや千鳥草も同じです。 移植を嫌うものを移植しなければならない場合は細心の注意を払う必要があります。必ずポット栽培にします。移植ゴテで移植は× ポットは大きめが良く、ポットの底穴から直根がはみ出ないように直に地面に置かないようにします。そしてできるだけ早く植えるようにしましょう。
●ネギ類には直根はありません。また、小さいひげ根はありませんが、切れても基部からすぐ新しい根が生えてきます。だから、移植に非常に強く、 根をむしっても、切ってもすぐ再生してくれます。ネギ以外のユリ科野菜も全く同じです。タマネギの場合、生育を遅らしてトウ立ちを予防する場合に 根をむしる対策を採用できるのはこの理由によるのです。

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青森の知人に「九州の人は季節に鈍感。東北は夏が短く季節を読み間違えると米も採れない、野菜もできない!」と指摘されたのが暦を考える契機 となりました。九州は暖かいので一週間位の生育の遅れはすぐ取り戻せると誰もが思っているので東北の人からするといかにもノンビリに思えたのでしょう。

栽培日誌「○○年9月1日に白菜を播種し11月15日に収穫した」という記述を頼りに、今年9月1日に播種したとして白菜は同じように育つのでしょうか? 気候条件が同じように推移したとしても、かなり差があるはずです!というお話です。太陽の周りを地球が公転し、地球の周りを月が公転するのですが、 地球の公転周期が365.24日、月の公転周期が29.5日。整数で割り切れません。有理数(整数や分数)でしか理解できなかった頭脳との整合性 をとるために、閏年、閏月が生まれたのはご存知だと思います。 太陽暦は閏年(二月の閏日)の影響で太陽軌道上の春(秋)分と暦上のそれとは最大二日位しかずれません。先の例の9月1日は、○○年9月1日と 太陽と地球の位置関係がほぼ同じなので日長もほぼ同じです。カレンダーの日時が同じだと野菜の成長も同じだろうと思うのは一見合理的ですよね? しかし平成18年の話です。太陽暦の9月は1~24日が旧暦ではナント閏7月!なのです(この年は7月7月8月・・と7月が二回ありました!)。 この年の夏~秋は異常に暑い年でしたので旧暦の天候予知能力の威力に心底驚いてしまいました。単なる偶然ではありません! 次は社日(五穀豊穣を願う春(秋)分に最も近い「戊」の日という意味で春と秋と二回あります)の話です。 平成18年は秋社が秋分より3日遅れ、翌19年の春社は春分より4日遅れました。夏が長く、秋が遅く到来し、冬が長いことを意味しています。 秋冬野菜にとって大豊作を予言しているわけですが実際そのとおりだったので二度、驚いてしまったわけです。そして、さっきの青森の知人に 東北の野菜作り農家だったらこれくらい常識さ!と、胸を張られたときには三度驚いてしまったというオチもついています。

次は月齢の話です。現代の気温、降雨などの予知は太陽暦すなわち太陽との関連性の中で語られることが多いのですが、胎児が月齢に影響を 受けるように、実は、月の公転の影響も無視できないのです。ちなみに、旧暦では朔日(一日)は太陽、月、地球と一直線に並び必ず新月となります。 15夜の月は必ず満月です。新月・満月どちらのときも、海が月と太陽に一直線上に引き伸ばされるので、潮の干満の差が最大となる大潮となります。 このように、旧暦による時の流れの認識は月齢や潮の干満を物差しとする世界観とまったく同じであると言っても過言ではありません。
●すべての生物が海を起源とするため、人(胎児)も動物も植物も虫も海の潮汐に、言い換えれば、月齢=月の朔望(満ち欠け)に影響を受けます。
●動物や昆虫は大潮のとき、つまり、新月や満月のとき活発になります。特に満月に交尾が盛んになります。(満月になると血が騒ぐ・・・スミマセン) したがって、害虫駆除は交尾の後あと卵が生まれる満月の数日後が効果的であるということが知られています。(お年寄りはよくご存知ですよ!)
●植物のエネルギー移動の向きは新月に下向きへ最大。満月に上向きに最大となります。果実は上になりますから満月に収穫すると良品が採れます。 根ものは地下部を収穫するのですから新月に収穫するのが良いのです。また、新月から満月にかけて、エネルギーが下向きから上向きに増え続け ますので、種蒔きや苗の植え付けに適する時期なのです。逆に、満月以降は地上部のエネルギーが減少して抵抗力が弱くなるので、 病気にかかりやすくなります。 つまり、満月から次の新月までが病気の予防(殺菌剤の散布など)の適期と言うわけです。
※物理出身としては、理論の因果関係を科学的にもっと明瞭に解説すべきなのでしょうが、不勉強のためこれ以上踏み込んだ解説はご容赦ください。

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発芽は水・温度・空気(+光)という三条件に支配されると繰り返し述べてきました。種子は呼吸しませんから(空気は必要因子ではないということ)、 種子の状態で発芽のスイッチが入らぬまま生き続けることができるか否かは水・温度により支配されるのです。当然発芽してはいけないのだから、 低温かつ低湿の状態であれば長く保存できることは論理的にも明らかなので、種子の保存を行なうときは、できるだけそのような方法がとられています。 日種協の種苗読本によると、常温であれば50%以下の湿度を保っていた方が、冷蔵庫の中程度の低温でドアの開閉や天候の変動などによって 湿度が日々変化するする環境条件より保存種子の寿命は長いという結果が出ています。だから、海苔の瓶などの密閉容器で生石灰やシリカゲルを 入れた状態で種子を保存すると発芽力が落ちにくいようです。

ただし、種子には持って生まれた性質として、寿命が長い長命種子と、寿命が短い短命種子とに分類されます。したがって、短命種子をいくら 低温乾燥状態で保存してもすぐ発芽力は落ちてしまうのです。
《長命種子》ダイコンやカブやハクサイや菜類などのアブラナ科、キュウリやカボチャなどのウリ科、毛の着いたままのニンジン。
《短命種子》種子は大きいけど含水率が変化すると急激に死んでしまうマメ科。シソ、ネギ、タマネギ、毛とりのニンジン。
※コート種子はコート加工時に水分に触れるのでどうしても短命となってしまいます。

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硬実は環境の変化に耐え抜いて生き残るために進化した結果身につけた有力なサバイバルツールです。
●朝顔、夕顔、苦瓜、オクラ、などは種皮が硬くなりやすいので硬実と呼ばれます。
●カラシナ類は種子肥大期に強いストレスを受けると硬実になりやすいです。
※硬実に対処してよく芽を出させる方法は裏技を参照してください。 一方、休眠もサバイバルツールの具体例の一つなのです。 開花受精し、結実した種子はやがて土に落ちます。もし、種子の休眠がなかったなら、たとえ冬場でも雨が降ったり、小春日和が続いたりすると、 種子は水分や温度といった物理的なセンサーがオンとなって発芽し成長を始め、結果的に死んでしまう運命になります。つまり、このような物理センサー だけに頼っていては厳しい自然界で種を存続させることは不可能です。そして、進化により獲得したのが休眠を利用した時限タイマーなのです。 生き残りのために備わったサバイバルツールなのですがタイマーが効いている間は芽が出ないわけですから人間にとっては迷惑な話です。
●チオ尿素などの化学薬品で処理することにより休眠は破れます。
●浸漬した上で5℃~10℃の低温に1~2週間にさらすことにより休眠は破れます。

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昔は曾祖父、祖父、親、子、孫、ひ孫・・・と他の血が混ざらぬように純血を守った種の採り方をしていました。これを純系選抜といいます。 収穫期がばらついたり、品質や形状や大きさがばらついたりしては困るからです。 この方法は、同族結婚により劣性遺伝子が発現し、体力が弱って来るという弱点を持っています。 品種改良とは、今まで持っていなかった(おいしいとか、赤いとか、大きいとかいう)性質を他の品種から取り込むことによって行なわれます。 この取り込みを掛け合せなどといいますが、結果的に雑種を作り出しているのです(交雑)。しかし、親が純系でない場合は、親の組み替えの パターンによって、できる子どもの性質は様々に変化します。これでは品種と使えないので、先に述べた純系選抜を繰り返します。 10回くらいすると曾祖父、祖父、親、子、孫、ひ孫・・・は同じようになり安定してきます。このようにしてできた品種を固定種といいます。 一方交雑によって親と全く異なった良い性質が表れることを雑種強勢といいますが、純系の二親の雑種つまり一代目だけは親が同じであれば 生まれた子どもは同じような性質を持ち、実用上は全く区別できません。このようにしてできた品種を一代交配種F1といいます。先に述べたように 雑種の子どもは何が出てくるかわからないので二代目は使い物にならないのです。以上を前提として以下の結論が導き出されます。
●固定種は簡単なので安価だが、同族結婚の結果ひ弱なところが残っている!
●F1は高価だが、雑種強勢により、画期的な品質を持つ場合がある!味が良くて病気に強い、形が良くて良く揃う、ある病気に全くかからない、とか。
●F1の自家採種は雑種の二代目となり上記の理由からどんな子どもができるか見当がつきません。全く品種にはなりません!
※ひかり蕪は飼料蕪の血が混ざっています。F2ではバケモノのような得体の知れない野菜ができる場合があります
※○○病耐病性というF1の子どもに○○耐病性が遺伝する確率は低くくなります。
※黄芯系ハクサイのハクサイの黄色はハクサイと蕪の交雑によって生み出されたとメーカサイドから小耳に挟んだことがあります。

肥料は組み合わせによって効果が高くなることはあまりなく、逆に喧嘩してお互いに効果を減らし合うこと(拮抗作用)が多いというお話です。 先ずは予備知識として化学のイオン化傾向を思い出してください。「かそうかなまああてにすな・・・K>Ca>Mg>Zn>Fe」を思い出してください。 肥料分(硝酸態窒素やリン酸分以外)は、プラスのイオンとして存在し、カリ>石灰>苦土>亜鉛>鉄、あとアンモニアがあります。化学反応は 強いもの勝ちです! イオン化傾向の高いカリや石灰つまり肥料分が多すぎるとアルカリに傾き苦土以下の有用微量要素はイオンの状態でおれません。 つまり、(A)土の中にいくらたくさんあってもカリや石灰に邪魔されて微量要素が吸収できなくなります。(B)アンモニア態窒素もアンモニアガスに変化します。 あ!(C)乾燥するとやはり水、すなわち水素イオンが少なくなるので、上で述べたように微量要素が効きにくくなります!
A)ハウス栽培などで長く栽培を続けると本来雨水で流出するカリや石灰が、雨水が当たらないために、だんだん土の中にたまってきます。 ハウスの中でカリ肥料や石灰が余り必要出ないのはこの理由です。カリや石灰が蓄積することで微量要素の働きが悪くなり、野菜の生長が悪くなります。 同じように、硼砂など微量要素肥料をふるときは石灰と同時にふるとホウ素分が石灰とケンカして吸収されなくなります。絶対に同時散布は×。
B)堆肥と石灰を混ぜるとしばらくして臭いにおいがしてきます。アンモニアガスが発生しているのです。これも同時散布は×。
C)乾燥すると発生しやすくなる生理障害(バイ菌による病気ではありません。脚気みたいなものです)が発生します。 石灰欠乏症、ホウ素欠乏症(どちらも別項で述べる予定です)は雨が続くときは発生せず、必ず乾燥期に発生するという特徴を持っています。

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